カスタマーハラスメントへの対応に関する方針
1. 方針策定の背景
近年、商品やサービスの利用者から提供者に対するハラスメント行為、いわゆるカスタマーハラスメント(以下「カスハラ」といいます。)が社会問題となっています。保育の現場も例外ではなく、全国的に、職員が精神的な不調をきたしたり、離職に至ったりする事例が報告されています。
当グループは、こうした事態を未然に防ぎ、職員が安心して保育に専念できる環境を守るため、あらかじめ考え方を明らかにしておくことが必要であると考えました。
法制度の面でも対応が進んでいます。2025年6月に公布された改正労働施策総合推進法により、2026年10月1日から、すべての事業主に対しカスタマーハラスメント防止のための雇用管理上の措置を講じることが義務づけられます。また、東京都では2025年4月1日に「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」が施行され、神奈川県においても事業者による対策の取組が推進されています。
本来、保育園は、園で働く職員が中心となって、保護者の皆さまおよび地域の皆さまと良好な信頼関係を築き、共に協力してお子さまの健やかな成長を育んでいく場所です。当グループは、職員一人ひとりが穏やかな気持ちで保育に専念できること、そして保護者の皆さまや地域の方々と気持ちの良いコミュニケーションを取っていくことが、お子さまの最善の利益につながるものと考えています。
この点について、職員・保護者の皆さま・地域の皆さまが共通の理解を築き、今後も質の高い保育を提供していくため、本方針を策定いたしました。
2. 基本的な考え方
当グループは、保護者の皆さまからのご意見・ご要望・ご相談を、保育の質を高めるための大切な機会と考えており、今後も誠実に耳を傾けてまいります。本方針は、そうした正当なお申し出を制限したり、対話を避けたりするためのものでは決してありません。
一方で、業務の適正な範囲を超えて職員の就業環境を害する言動に対しては、職員の心身の安全と、お子さまへの安定した保育を守るため、組織として毅然と対応いたします。
職員を守ることは、お子さまの最善の利益を守ることと一体である――これが本方針の根底にある考え方です。
3. カスタマーハラスメントの定義
当グループでは、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例および厚生労働省の指針に準拠し、カスタマーハラスメントを次のとおり定義します。
顧客等(保護者・ご家族、地域の方など、職員からサービスの提供を受ける方または職員の業務に密接に関係する方)から職員に対し、その業務に関して行われる著しい迷惑行為であって、職員の就業環境を害するもの
ご要望の内容そのものが妥当な場合であっても、それを実現するための手段や態様が社会通念上不相当であり、結果として職員の就業環境を害する場合には、カスハラに該当します。
4. カスタマーハラスメントに該当する行為の類型
東京都「カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン)」を参考に、代表的な行為類型を以下のとおり整理します。なお、以下はあくまで例示であり、これらに限られるものではありません。
(1) ご要望の内容が妥当性を欠く場合
- 提供した保育に瑕疵・過失が認められないにもかかわらず、保育料等の減免を要求する
- 保育・教育とは関係のないサービスの提供を要求する
- 当グループが提供できない内容の保育・教育を強いる
(2) ご要望の内容の妥当性にかかわらず、手段・態様が違法または社会通念上不相当である場合
※ 内容によっては刑法犯に該当する可能性があります。
- 身体的な攻撃(物を投げる、殴る、蹴る、突き飛ばす等)
- 精神的な攻撃(大声で執拗に責める、人格を否定する言動、侮辱的な言動等)
- 威圧的・脅迫的な言動(声を荒げる、揚げ足を取る、脅すような発言等)
- 土下座の要求(謝罪の手段として土下座を求める等)
- 執拗な(継続的な)言動(長時間にわたり繰り返し叱責する等)
- 職員を拘束する行動(長時間の居座り、不退去、長時間の電話等)
- 差別的な言動(職業、性別、国籍等に関する侮辱的な言動等)
- 性的な言動(わいせつ行為、つきまとい行為等)
- 職員個人への攻撃・嫌がらせ(SNS・口コミサイト・インターネット上での名指しの中傷、事実と異なる内容の拡散、悪評の投稿をほのめかして職員を威迫する行為等)
- 職員のプライバシーの侵害(住所・家族構成等の私生活に関する情報を聞き出す、無断での撮影・録音、インターネット上への個人情報の投稿等)
- 反社会的勢力との関係をほのめかす言動
(3) ご要望の内容の妥当性に照らして、手段・態様が社会通念上不相当である場合
- 正当な理由なく担任の交代を強く要求する等、過度な担当変更の要求
- 過度な金銭補償の要求
- 正当な理由なく責任者名義の謝罪文を求める等、過度な謝罪の要求
- 他のお子さまとは異なる特別な取扱いを一方的に要求する
- 行事等におけるお子さまの役割を、保護者の考えのみで変更するよう強要する
- 職員に過度の負担を強いる対応の要求(毎日、電話で詳細な報告を求める等)
- 実現不可能な要求や抽象的な要求(「絶対に怪我をさせるな」「誠意を見せろ」等)
5. カスタマーハラスメントに該当しないもの
以下のようなお申し出は、カスハラには該当しません。当グループは真摯に受け止め、改善に努めます。
- 保育の内容や園の運営に関するご意見・ご要望・ご提案
- 当グループの過失や説明不足に対する正当なご指摘・苦情のお申し出
- お子さまの状況やご家庭の事情を踏まえた個別のご相談
- 事故・けが・体調不良等が生じた際の、事実確認や説明のお求め
当グループは、ご意見の「内容」ではなく、その伝え方や程度が社会通念上相当な範囲を超えているかどうかを基準に判断いたします。
6. カスタマーハラスメントが発生した場合の対応
- 複数名での対応 職員が一人で抱え込むことのないよう、複数名または施設長が対応にあたります。正確な事実確認のため、面談内容の記録や録音をさせていただく場合があります。
- 組織としての判断 施設長は速やかに保育事業部長へ報告し、グループとして事実確認と該当性の判断を行います。判断は園単位ではなく、グループとして統一した基準で行います。
- 対応の制限・打ち切り カスハラに該当すると判断した場合、対応をお断りする、対応を打ち切る、または対応の窓口・方法・時間を限定させていただく場合があります。
- 外部機関との連携 悪質と判断される場合には、顧問弁護士、顧問社労士、警察、自治体の関係部署等と連携し、法的措置を含めた対応を行います。
- 契約継続の判断 行為の内容および程度によっては、書面による警告を行ったうえで、退園のお願いまたは保育利用契約の解除等、契約の継続が困難であると判断させていただく場合があります。
なお、これらの対応は保護者の皆さまに対するものであり、お子さまへの保育の質に影響を及ぼすことはありません。お子さまをお預かりしている間は、いかなる場合もお子さまの最善の利益を最優先に考えます。
7. 職員を守るための体制と取組
改正労働施策総合推進法および厚生労働省の指針に基づき、当グループは以下の措置を講じます。
- 方針の明確化と周知・啓発 ── 本方針を全職員に周知するとともに、保護者の皆さまへ公表し、園内に掲示します。
- 相談体制の整備 ── 職員が速やかに報告・相談できる窓口を設置します。相談者のプライバシーを保護し、相談したことを理由とする不利益な取扱いは一切行いません。
- 事後の迅速かつ適切な対応 ── 事実関係の確認を速やかに行い、被害を受けた職員に対して業務内容の変更、心身両面のケア、産業医・外部専門機関への相談等の配慮を行います。
- 再発防止と抑止のための措置 ── 顧問弁護士・顧問社労士・警察等の外部講師を招いた職員研修の実施、対応事例の記録・グループ内共有、園内へのポスター掲示等を継続的に行います。
- 職員側の姿勢の徹底 ── 当グループは職員に対しても、保護者の皆さまに敬意をもって接し、丁寧な説明と誠実な対応を行うよう指導・教育を徹底します。
8. 保護者・ご家族の皆さまへのお願い
当グループは、お子さまにとって安心して過ごせる園であると同時に、職員にとっても安心して働ける職場でありたいと考えています。
お子さまの健やかな育ちのためには、保護者の皆さまのご協力が欠かせません。日々の保育のなかでは、うまくいかないことや、ご期待に添えないこともあると思います。そうした際にも、まずは園にお声がけいただき、対話を通じて一緒に考えていければ幸いです。
お互いの立場を尊重し、思いやりを持ったコミュニケーションのもとで、より良い保育環境を築いてまいりたいと考えております。皆さまのご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。
9. 適用範囲
本方針は、チャイルドランドグループが運営する以下の保育施設および、これらの施設に勤務するすべての職員に適用されます。
| 施設名 | 種別 | 運営法人 |
|---|---|---|
| チャイルドランド稲田堤園 | 認定保育園 | 株式会社チャイルドランド |
| エンジェルプラネット中川園 | 認可保育園 | 株式会社チャイルドランド |
| あいあいナーサリー調布園 | 東京都認証保育所 | 株式会社チャイルドランド |
| メロディ梶ヶ谷園 | 認定保育園 | 株式会社メロディ |
| メロディ宮崎台園 | 小規模認可保育園 | 株式会社メロディ |
| エンジェルプラネット仲町台園 | 小規模認可保育園 | 有限会社メロディ |
| スマイリーキッズ武蔵小杉園 | 認定保育園 | 有限会社スマイリーキッズ |
制定・お問い合わせ
制定日:2026年7月30日 / 施行日:2026年7月31日
策定者:チャイルドランドグループ(株式会社チャイルドランド/株式会社メロディ/有限会社メロディ/有限会社スマイリーキッズ)
代表者:代表取締役 飯倉 妃美子
【本方針に関するお問い合わせ】
チャイルドランドグループ 保育事業管理部(たまプラーザ事務所)
contact-nursery@child-land.co.jp

